自分に合ったパワーストーンが欲しいけど何を持てばいいのかわからない。
という場合。
参考にされるのが誕生石や星座石だと思います。
誕生石というのは1月から12月までの月ごとに石が割り当てられています。
自分の誕生月の石を持っていると、何らかのよい事があるとされています。
誕生石っていつ始まったの?
旧約聖書がルーツ?
古来より石をお守りとする習慣がありました。
12個の石を選んでお守りにするという習慣が生まれたのは、
現在分かっているなかでは旧約聖書の記録が一番古いと思います。
ユダヤの民でも権威の高い祭司の胸当てに付けられた石が12個だったのです。
なぜ12個だったかというと、ユダヤには12の部族があったからです。
ひとつひとつの石に各部族の名前が彫られていました。
縦4列、横3列の四角形に並べていたといわれます。
その並び方はこのようであったといわれています。
ユダヤの言葉であるヘブライ語をカタカナで表現するとこうなります。
オデム | ピトダー | バーレケト |
ノーフェク | サピール | ヤハローム |
レシェム | シェボー | アヒアマー |
タルシシュ | ショーハム | ヤーシュフェー |
何のことかさっぱり分かりませんよね。
これらの石は何だったのでしょうか。
実のところ、よく分かっていない部分があります。
そこでヘブライ語を日本語や英語に訳すときに理解できる石の名前があてはめられたのですが、訳した人達によって違ってしまいました。
日本にも聖書は何種類かありますが、石がバラバラだったりするのです。
代表的な聖書を比較して見ましょう。
日本で代表的な新共同訳と口語訳、
英語圏で代表的なNIV(New International Version)、NRSV(New Revised Standard Version)を比較してみましょう。
聖書 | 新共同訳 | 口語訳 | NIV | NRSV |
オデム | ルビー | 紅玉髄 | ruby | carnelian |
ピトダー | トパーズ | 貴かんらん石 | topaz | chrysolite |
バーレケト | エメラルド | 水晶 | beryl | emerald |
ノーフェク | ざくろ石 | ざくろ石 | turquoise | turquoise |
サピール | サファイア | 瑠璃 | sapphire | sapphire |
ヤハローム | ジャスパー | 赤縞めのう | emerald | moonstone |
レシェム | オパール | 黄水晶 | jacinth | jacinth |
シェボー | めのう | 赤縞めのう | agate | agate |
アヒアマー | 紫水晶 | 紫水晶 | amethyst | amethyst |
タルシシュ | 藍玉 | 黄碧玉 | chrysolite | beryl |
ショーハム | 瑠璃 | 縞めのう | onyx | onyx |
ヤーシュフェー | 碧玉 | 碧玉 | jasper | jasper |
このように解釈が同じ石もあればかなり違ってる石もあります。
というのも、当時の人々は石を色、硬さ、形、模様で区別していました。
現在人みたいに組成を分析して名前をつけるなんて事はできません。
だから当時の記録にも色とかの部分的な特徴しか載ってないんですね。
訳した人は色や模様などの特徴から現代の宝石を当てはめていったのだと思います。
新約聖書の宝石
新約聖書にも12個の宝石が出てきます。
聖都の城壁の土台が12個の宝石で飾られていました。
ギリシア語で書かれた名前をカタカナに直したものと、訳を載せます。
壁 | 石の名前 | 新共同訳 | 口語訳 | NIV | NRSV |
東 | イアスピス | 碧玉 | 碧玉 | jasper | jasper |
東 | サプイロス | サファイア | サファイア | sapphire | sapphire |
東 | カルケードン | めのう | めのう | chalcedony | agate |
西 | クリュソブラソス | ひすい | ひすい | chrysoprase | chrysoprase |
西 | ヒュアキンソス | 青玉 | 青玉 | jacinth | jacinth |
西 | アメストス | 紫水晶 | 紫水晶 | amethyst | amethyst |
南 | クリュソソリス | 貴かんらん石 | かんらん石 | chrysolite | chrysolite |
南 | ベリュロス | 緑柱石 | 緑柱石 | beryl | beryl |
南 | トパジオン | 黄玉 | 黄玉石 | topaz | topaz |
北 | スマラドグス | 緑玉 | 緑玉 | emerald | emerald |
北 | サルドニュクス | 赤縞めのう | 縞めのう | sardonyx | sardonyx |
北 | サルディオン | 赤めのう | 赤めのう | carnelian | carnelian |
さすがに時代が新しいので訳が極端に違う石は少ないですね。
キリスト教信者の多い国では、新約聖書の石が元になっているという説が人気のようです。
当時はまだ12個の石を月に当てはめようという考えはありません。
でも、
西洋文明の元である聖書に12個の宝石を選んで特別な意味をもたせていたというのは、後の誕生石の発想につながっていくのだと思います。
占星術から生まれた星座石
その後、占星術師の間で黄道十二星座に宝石を割り当てて守護石にするという考えが生まれました。
この星座に割り当てられた石は、誕生石と区別するために星座石ともいいます。
星座石は星座に割り当てられた意味や色に近いイメージの石が選ばれました。
占星術師によって選ぶ石が違うので、この星座にはこの石と決まっているわけではありません。
古くから占星術の発達したヨーロッパでは、現在でも誕生石よりは星座石の方が人気があります。
十二宮 | 星座 | 誕生日 | 守護星 | 主な星座石 |
白羊宮 | 牡羊座 | 3/21~4/19 | 火星 | ガーネット・ダイアモンド・ルビー |
金牛宮 | 牡牛座 | 4/20~5/20 | 金星 | エメラルド・サファイア・サンゴ・トパーズ |
双児宮 | 双子座 | 5/21~6/21 | 水星 | アクアマリン・アゲート・シトリン・ジャスパー |
巨蟹宮 | 蟹座 | 6/22~7/22 | 月 | アクアマリン・エメラルド・パール・ムーンストーン |
獅子宮 | 獅子座 | 7/23~8/21 | 太陽 | ダイヤモンド・ルビー |
処女宮 | 乙女座 | 8/22~9/22 | 水星 | カーネリアン・サファイア・ターコイズ |
天秤宮 | 天秤座 | 9/23~10/22 | 金星 | エメラルド・オパール・ダイヤモンド・トルマリン・ペリドット |
天蠍宮 | 蠍座 | 10/23~11/21 | 冥王星 | トパーズ・トルマリン・ルビー |
人馬宮 | 射手座 | 11/23~12/22 | 木星 | アメシスト・ラピスラズリ |
磨羯宮 | 山羊座 | 12/23~1/19 | 土星 | アクアマリン・エメラルド・ガーネット・ターコイズ |
宝瓶宮 | 水瓶座 | 1/20~2/18 | 天王星 | アメシスト・オニキス・サファイア |
双魚宮 |
魚座 | 2/19~3/20 | 海王星 | アクアマリン・ダイヤモンド・ヒスイ・ブラッドストーン |
現代の誕生石はいつ決まった?
聖書の石や星座石の考えを参考に20世紀に入って作られたのが誕生石です。
1912年にアメリカの米国宝石商組合が決めたものが最初だといわれています。その後、1952年にアメリカ宝石小売商組合などが変更を加えました。
その後、各国の事情で石が追加されたり変更されたりして今に至っています。
日本では戦後(1958年)に欧米の誕生石をもとに全国宝石卸商協同組合が作ったのが最初だとされています。その後、さまざまな団体が誕生石を設定しているので日本の誕生石はこれ。と決まっているわけではありません。
月 | 全国宝石卸商協同組合 | 日本ジュエリー協会 | アメリカ |
1月 | ガーネット | ガーネット | ガーネット |
2月 | アメシスト | アメシスト | アメシスト |
3月 | サンゴ・アクアマリン | サンゴ・アクアマリン | アクアマリン |
4月 | ダイヤモンド | ダイヤモンド | ダイヤモンド |
5月 | ヒスイ・エメラルド | ヒスイ・エメラルド・ジェダイト | エメラルド |
6月 | パール | パール・ムーンストーン | パール |
7月 | ルビー | ルビー | ルビー |
8月 | ペリドット | ペリドット・サードニックス | ペリドット |
9月 | サファイア | サファイア | サファイア |
10月 | オパール | オパール・トルマリン | オパール |
11月 | トパーズ | トパーズ・シトリン | トパーズ |
12月 | ターコイズ | ターコイズ・ラピスラズリ | ターコイズ |
さらに、
パワーストーンの誕生石というのは業者によってまちまちで決まったものはありません。
宝石の誕生石をもとに外観が似ている安価なパワーストーンに置き換えたものが多いようです。
たとえば、ダイヤモンドの代わりに水晶、ヒスイの代わりにアベンチュリン、ルビーのかわりにインカローズやカーネリアンをいれるとか。
誕生石をもつときに注意したいこと
どの石を選んでも同じ
誕生石や星座石はひとつの月に二つ以上の守護石が設定されているときがありますよね。
そのときに「どちらの石が効果が高いの?」と思うかもしれません。
でも、どちらを選んでも同じです。
どちらか片方の方が強いなんてことはありません。
むしろ、あなたが「どちらの石が欲しいか」の方が大切です。
守護石がたくさんあるときは、自分の好きなものを選んでください。
特に、インスピレーションや直感で選ぶのが有効です。
嫌いなら守護石は持たなくていい
誕生石や星座石などの守護石は、選ぶのに困ったときに参考になります。
好みの分からない人に贈り物をするときにも、誕生石だからといえば当たり障りがなくなります。
この石が自分のお守りなんだと思うと石に対する愛着も強くなると思います。
でも、ひとそれぞれに好みがあります。
誕生石、星座石だからといって好きではない石を持つ必要はありません。
共感できない石を持つことは、パワーストーンとして意味がありません。
ただの飾りです。
一番大切なのは自分が気に入った石を持つ事です。
心から「この石がいい」と思わないと、石はあなたをサポートしてくれません。
以上、たかふみでした。
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