水晶には右水晶と左水晶があります。本物の水晶で合えば、必ずどちらかの水晶になります。右でもない左でもない水晶は存在しません。
二酸化ケイ素の小さな結晶が集まっって水晶になります。一つ一つは小さいので目に見えません。二酸化ケイ素の小さな結晶は螺旋状に集まって水晶を作ります。このらせんが右回りになるか左回りになるかで、左晶と右水晶にわかれるのです。
右水晶、左水晶の区別の仕方
右水晶と左水晶は、目に見える結晶の形で区別することが出来ます。
結晶の柱面(m面、結晶の横の部分)と錐水面(r面、先端の尖った部分)の間にできる小さな面の場所をみると右と左が区別できます。
m面とr面の間には小さな面が出来ることがあります。s面とかx面とかいいます。必ずしもs面とx面ができるわけではなく、どちらかだけの場合もありますし、ない場合もあります。
右水晶
この水晶の場合は先端の面(r面)の右下に平行四辺形の小さな面(s面)がでています。
この場合は右水晶です。
左水晶
この場合は、先端の面(r面)の左下に平行四辺形の小さな面(s面)がでています。
こちらは左水晶です。
ちょっとわかりづらいかもしれませんね。
s面は必ず平行四辺形というわけではなく台形のようにみえることもあります。
かならずs面が出来るわけではありません。透明な水晶よりもスモーキークォーツの方が出やすいといわれます。
s面、x面がないからといって、右水晶でも左水晶でもない。なんてことはありません。
見た目で判断がつかないだけです。
どんな形の水晶にも右と左があるのです。
右巻きと左巻き
でもビーズや丸玉になったら、もとの形はわかりません。
右水晶と左水晶の区別ができませんよね。でも区別できるのです。右水晶と左水晶は結晶の並び方で決まります。結晶の並び方が違うと、光の通過の仕方が変わるのです。
偏光板と円変更板を組み合わせることで、水晶に模様が浮き出ることがあります。
たとえばこのような感じ。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、赤い渦巻きが見えます。
中心から伸びた赤い筋が、時計回りに渦をまいています。
この渦模様をエアリースパイラルといいます。
渦が右巻き(右回り、右螺旋ともいいます)の水晶は右水晶です。
こちらの水晶玉は左回りに渦がまわっています。
渦が左巻き(左回り、左螺旋ともいいます)の水晶は左水晶です。
結晶構造と見た目が違う?
ここで注意しなければいけないことがあります。
見た目の右水晶、左水晶は。
実際の水晶の構造とは違うという点です。
分子レベルの小さな結晶が右回りに並んだ水晶は左水晶。
分子レベルの小さな結晶が左回りに並んだ水晶は右水晶。
になるのです。
左と右が逆じゃないの?と思うかもしれません。
でも、小さな結晶の並びと見た目の右左は違ってるんです。なぜこうなったかというと、分析方法がなかった時代は水晶の見た目で右、左を決めていました。その後、分析機械が発達してX線分析などで結晶の並び方がわかるようになりました。
水晶を現代の分析機械で調べてみると、昔から右水晶と言っていたものが実は小さな結晶が左回りに並んでいたことがわかってしまったのです。
そこで、目に見える右・左と、分子レベルの右・左は逆になってしまったのです。
でも、二酸化ケイ素の分子の並びを知るためにはX線分析をするなど、機械を使って調べなければいけません。見た目や、光を当てただけでは分子は見えません。それに鉱物研究者でもない限りは分子の並び方を知りたいとも思わないでしょう。
右水晶は実際には分子が左回りに並んでいる。と覚えるだけでもいいと思います。
コメント