やわらかなピンクが人気のローズクォーツ(rose quartz)。
ピンク色のパワーストーンは他にもありますが、これほど柔らかで優しい色はなかなかありません。
ローズクォーツはどんな石なのでしょう。
ローズクォーツのビーズを買うときの注意点もお話します。
ローズクォーツ(rose quartz)
和名: ( 紅石英、薔薇石英)
化学組成:SiO2
比重 :2.61
モース硬度:7
壁開 :なし
割口 :貝殻状
結晶形 :六方晶系、日結晶質集合体
光沢 :ガラス光沢
ローズクォーツ(rose quartz)はどんな石?
柔らかな雰囲気のピンク色はどこからくるのでしょう。
それはものすごく細かい酸化チタンの結晶が無数に入っているためだといわれています。
1ミリよりももっと小さな結晶なので目で見ても結晶は見えません。にごっているように感じると思います。でも、にごった感じが柔らかさとやさしさを演出しているのです。
ローズクォーツは透明度の高いほうが高値で取引されます。でも、安らぎやヒーリング効果をもとめるのなら、柔らかい雰囲気のものを選んだほうがいいと思います。
ローズクォーツの象徴する意味
古来よりヨーロッパでは愛情、平和を象徴する石と考えられています。
淡いピンクは、優しさ、心の癒しに効果があるとされています。
透明で濃い色合いのものは感情に働きかける力が強いので愛情の強さに結びつくかもしれません。
優しさや、癒しをもとめるのであれば淡い色合いのものを選ぶとよいでしょう。
ヒーリング効果が期待できますが、不安やトラウマを取り除くような強い浄化作用があるわけではありません。
包み込むような優しさで、心をやすめて落ち着かせるような癒しがあると考えられます。
光に弱いです
ローズクォーツのピンクは紫外線があたると少しずつ消えてしまいます。
できるだけ日光の当たる場所には置かないようにしましょう。
色が完全に消えると白くにごった石英になります。ミルキークォーツと呼ばれます。
紅水晶と紅石英は違うもの?
ローズクォーツの中でも特に透明度の高いものは紅水晶と呼ばれることがあります。
日本では透明度の高い石英を「水晶」透明度の低いものを「石英」とよぶ習慣があるからです。
まったくにごりのない紅水晶は酸化チタンではなくリンで赤くなっているといわれます。
リンは結晶ではなく分子レベルで水晶の中に混ざっているので目には見えません。シトリンやアメジストの様に水晶そのものが色付いているように見えます。
色の出る理由が酸化チタンやリンであってもパワーストーンの世界ではとくに区別はされていません。ローズクォーツという名前で呼ばれています。
でも、リンで色の付いた紅水晶は人工的に作ることが出来ます。人工水晶を作るときにリンを混ぜればいいのです。
透明度が高く、色が濃くて、均一な色の紅水晶が安く売られていたらそれは人工紅水晶かもしれません。
でも、今のところ心配することはなさそうです。
市場で売られている紅水晶はほとんどが紅石英のだからす。ちょっと透明度の高い紅石英を紅水晶という名前で売っているだけなのです。リンで色が付いている濁りのない紅水晶を探すほうが難しいです。
それよりも、紅水晶と紅石英の区別がなくなっていることの方が問題のように思えます。
ローズクォーツの結晶やクラスターはないの?
売られているローズクォーツは丸玉やビーズのように加工されたものがほとんどですよね。水晶のように結晶やクラスターで売られているものはありません。
これはローズクォーツが結晶になりにくい性質だからです。
酸化チタンの細かな結晶が入っていることで水晶が結晶になろうとするのを邪魔しているんですね。
結晶にならない理由についてはこちらでも書きましたので参考にしてください。
(記事のタイトルは紫水晶ですがローズクォーツについても書いてます)
ごくまれに結晶になるものもありますが、あったとしても小さかったり形がいびつだったりします。
この画像のローズクォーツは3cmくらいの小さな結晶です。表面がでこぼこしてますが、なんとか六角形の柱状になろうとしているのがわかります。
非常にレアな石です。
結晶のローズクォーツをみつけたらすごくラッキーですね。
ビーズを買うときは注意
小さなビーズは色が分かりにくい
人気があって手に入りやすい石ですから、ブレスレットやアクセサリーに使いたい方も多いと思います。
でも、ビーズを買うときには注意してください。
色の淡いローズクォーツは8mm以下のビーズにしてしまうと色が分かりにくくなってしまうことがよくあります。
このように連になっているとピンクの様に見えますが。
ビーズをばらしてしまうと、ほとんど色がわからなくなることがあります。
紐のピンク色の印象が強くて本当のビーズの色が分かりにくいのですね。
例えば、この四つの6mmビーズは全部ローズクォーツとして売られていたものです。
背景は真っ白の紙をしいてます。
こんなにも色の違いがあることに驚かれると思います。
この中で一番高いビーズはどれだと思いますか?
実はこの順番になってます。
高い A > D > B=C 安い
一番高いのはAです。
「B」と「C」が同じくらい安いです。
Dはほとんど色が付いてないのに何で安くないの?
一番色の濃いCが安いのはなぜ?
と思われるでしょう。
ひとつずつを拡大してみます。
アップにすると更に色が分かりにくくなりますね。
Bは色が透明度は低いです。赤みも少ないです。安いのは当たり前です。
Cは一番赤みが強いですが、透明度は低いです。
Dは赤みは少ないですが、一番透明度が高いです。
AはDの次くらいに透明度はありますが、部分的に濁りがあります。
赤みはCの次に強いです。
つまり、Dが2番目に高いのは透明度が高いからです。
ローズクォーツは、透明度の高いものは値段も高いです。
色が薄くても透明度が高くなれば値段は高くなります。
では、安いCが色が濃いのは何故でしょう。
もっと拡大しましょう。
分かりづいらかもしれませんが、加工精度が低いです。
表面がざらざらな部分があり、完全には研磨されていません。
ざらざらな部分に赤い顔料が残ってます。
つまり、
表面の細かい傷に残った顔料が色を赤く見せているのです。
安くて色が濃いわけが分かりましたか?
さすがに、今ではここまでひどいものは滅多にみあたりませんが。
2010年ごろにはこのような粗悪品も出回ってました。
安いローズクォーツのビーズというのは色が薄いのです。
安くて色の薄いローズクォーツには共通点があります。
同じお店の水晶よりも値段が安い。
ということです。
もちろん、透明度の高い水晶はかなり値段が高いですが。
透明度の低い水晶と同じか安いローズクォーツは、ほとんど色がついてないと思ったほうがいいです。
ビーズにしてもはっきりと色の分かるローズクォーツというのは値段は高いです。
今回紹介した安物のビーズの倍の値段はします。
透明度が同じであれば、水晶よりも値段は高くなります。
透明とといっても、 ローズクォーツ は完全には水晶と同じ透明度にはなりません。
石の中にある傷とか内包物のあるなしのことだと思ってください。
安く売ってるからと言って飛びつかないようにしましょう。
安いのは理由があるのです。
以上、たかふみでした。
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