カーネリアンはなぜ赤い?その効果と意味

カーネリアン パワーストーン辞典

赤い色が印象的なカーネリアン。生命力を感じさせる石です。

でも意外と誤解されてることの多い石でもあるんです。

カーネリアンっていったいどんな石なのでしょう。

 

カーネリアン(Carnelian)

和名:紅玉髄(べにぎょくずい)

化学組成:SiO2
比重  :2.61
モース硬度:7
壁開  :なし
割口  :貝殻状
結晶形 :六方晶系、日結晶質集合体
光沢  :ガラス光沢

 

 

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カーネリアンはどんな石?

カーネリアンは石英の仲間です。水晶みたいな大きな結晶ではなく、目に見えない小さな結晶の集まりです。 これを潜晶質石英といいます。潜晶質石英の中でも縞模様のあるのがアゲート(瑪瑙・めのう)、縞模様がないのがカルセドニー(玉髄・ぎょくずい)といいます。

カーネリアンは赤いカルセドニーの事です。

日本のパワーストーンの世界ではアゲートとカルセドニーの区別はあいまいので名前がごっちゃになっていることがあります。パワーストーンファンも業者も瑪瑙と玉髄を区別できていないことが多いです。

カーネリアンに赤めのうの名前を 付けて売っている店もあります。
天然のものがカーネリアンで瑪瑙を染めたものが赤メノウと呼ぶ人もいますが、正しくはありません。

天然でも染めたものでも赤い瑪瑙は赤瑪瑙です。カーネリアンではありません。

でも、原石には縞があってもビーズくらいの大きさになると縞がなくなってしまうことがあります。だから、単にビーズに縞がないから瑪瑙ではなく玉髄と決め付けるのは難しくなります。

瑪瑙も玉髄も模様による判断なので、こまかく気にする必要はないのかもしれませんね。

カーネリアン

 

はっきりと縞のあるものは、サードオニキス(sardonyx)といいます。パワーストーンの世界では単にサードという事もあります。

 

 

カーネリアンはなぜ赤い?

 

二酸化ケイ素の中に微量の鉄分が入ってることで、鉄が酸化されて赤くなります。鉄がさびると赤くなりますね。それと同じです。

でも、カーネリアンは地中から出てきたときは色が薄いので加熱することで赤くなります。逆に地中にいるときは土の様な茶色ですが太陽光(紫外線)を浴びて赤色になるものもあります。

いずれにしても、地中にいるときから鮮やかな赤いカーネリアンというのはありません。

カーネリアンというのは掘り出したときそのままの色を意味するものではないと考えたほうがよいでしょう。

そのため、鉱物ファンの間ではカーネリアンという石はないと主張する人もあります。でも、これは半分正解で半分間違いといえます。

昔の人も加熱することで赤くなる玉髄があることは知っていました。そこで装飾品を作るときに赤い色の石が使いたいときは玉髄を加熱して赤くして使いました。

それがカーネリアン(紅玉髄)なのです。

それでもエジプト王朝では太陽を表す石として装飾品や像などに使われました。赤いことに意味があったからです。人がどこまで手を加えたかは問題ではなかったのです。ガラスを作ることすら難しかった時代、天然の石を加熱するだけで赤い宝石の様な石ができることは、それだけでも十分価値のある物だったのです。

本来がそのような性質の石なので、加熱や紫外線による色の変化で赤くなったものはカーネリアンといって差し支えないです。

でも、顔料で着色したものは「染め玉髄」ということになります。

 

名前の由来

 

カーネリアンという名前はラテン語で「肉」を 意味する「carnis」が元になっています。地中から掘り出されらばかりのカーネリアンは茶色をしているものもあり肉のかたまりの様に見えるかもしれません。

赤く色付いたものは、赤身の肉を思わせる色合いのものもあります。

カーネリアン

確かに、この石を見ているとなんだか血の塊というか内蔵の一部のように見えてしまいますね。

カーネリアンは色の濃いものは血の様な赤みをしているので好き嫌いは分かれるかもしれません。鮮やかな赤い色の石が欲しいのであれば、染め玉髄か、染めメノウの方がいいと思います。

 

どこまで色が薄くてもカーネリアンといえるのか?

 

ファンの間でも問題となるのは、どの色までがカーネリアンといえるのか。ですね。

これは規格がないのでここまでがカーネリアンとはっきりといえないのが現状です。

もともとの意味を考えると「赤い色」をしているものということになるのですが、どこまであかければいいのか。これはあつかう業者によってまちまちです。

最近は黄色っぽい石までカーネリアンという名前で売られている事があって”?”と思うことがあります。

あまりにも黄色いものをカーネリアンと呼ぶのは抵抗があります。

このくらいであれば赤みがありますし、カー ネリアンと呼んでも差し支えないです。

カーネリアン

現実に、古代エジプトの装飾品のなかでカーネリアンとされているものはこのくらいの色のものも多いです。

古代エジプトのカーネリアンの装飾品

リンクの先は英語ですが、カーネリアンで出来たツバメと太陽の装飾品の写真があります。

 

7月の誕生石

 

宝石では7月の誕生石ははルビーですが。
イギリスではカーネリアンが7月の誕生石になっています。

そのせいかパワーストーンの世界ではカーネリアンは7月の誕生石という事になっています。

色がルビーに似 ているせいでしょうか。7月は暑いし赤い石のイメージがあるのかもしれません。 実は僕は7月生まれなのでちょっとうれしいです。誕生石だというのとは知らずに買っていたのですが、気がついたら自分の持つ意思の中にカーネリアンが増え ていました。誕生石効果でしょうか。

 

カーネリアンの象徴する意味

 

古代エジプトでは赤は血の色でした。

生命と勝利を意味します。太陽の象徴としてもカーネリアンはよく使われました。
太陽も生命を育む生命力の象徴です。

色彩学においても赤は生命力、エネルギー、情熱を意味します。

プラスの方向に出れば活力、愛情、積極性になります。
マイナスの方向に出れば、怒りや興奮、苛立ちになります。

カーネリアン の赤はとくに血の色を連想させるので、生命力とつよく結び付けられます。

強すぎる赤に違和感があるときは少し色の薄い黄色身がかったカーネリアンにすると興奮が抑えられ、陽気な要素が加わります。

 

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