水晶といえば天然石の代表のようなものですが、人工の水晶も存在します。
というより人間の手で作ることの出来る石の代表選手といってもいいでしょう。
人工的に作られる水晶には幾つかの種類があります。
人工的に作られる水晶とは
合成水晶
「合成水晶」または「工業用人工水晶」と呼ばれる水晶は天然の水晶と同じ二酸化珪素で出来ています。 結晶構造も同じです。
ですから鉱物としてみた場合、天然水晶と合成水晶は同じものだといえます。
むしろ透明度や純度では天然物よりも上である事が多いです。
天然水晶は自然界で長い年月をかけて自然に成長したものです。
合成水晶はその自然環境に似た条件を人間の手で作り出して自然界よりも早く結晶を成長させて作った水晶です。
2000気圧で300から400度以上という高温高圧の条件を作り出すと水晶は水に溶けます。溶けた水晶をもう一度結晶化させることにより透明度の高い水晶を作ることが出来るのです。
ですから人工水晶ももとは天然水晶だったわけです。 合成水晶は電子部品の材料として使うために作られています。
クオーツ時計に使われている水晶はほとんどが合成水晶です。
ですが電子部品用には使えない不合格品の人工水晶を使って、アクセサリーや工芸品を作っている業者もいます。
工芸品を作るために水晶を合成することもあります。工芸品に使う場合は均一な透明さが求められるからです。
人工熔錬水晶(錬り水晶)
「人工熔錬水晶」は「錬り水晶」と呼ぶ事もあります。
水晶とガラスを融かして固めたものです。水晶の割合が多いものからほぼガラスに近いものまでさまざまです。
人工熔錬水晶は合成水晶と違って二酸化珪素を含んでいても結晶にはなっていません。
正確には水晶とは呼べないものです。石英の成分を含んだガラスといったほうがいいでしょう。アクセサリーや工芸品に多く使われています。
透明なのに安い水晶は人工熔錬水晶である可能性が高いです。
透明なものは水晶として売られていますが、色の着いたものもあります。アメジストやシトリンとして売られているものの中にも人工熔錬水晶が存在するようです。
人工のアメジストやシトリンは色が鮮やかで均一なのが特徴です。
透明でまったく傷のない10cmの水晶球が2000円くらいで売られていたら間違いなく人工物です。ガラスか人工熔錬水晶である可能性がかなり高いです。天然ものなら軽く1万円超えます。
練り水晶の玉。透明度が高く、無傷、混ざり物がない。 直径5cmの玉でも800円で買えるんですね。
科学的な成分としては水晶と同じなのですが、結晶構造が違うので性質も違います。
本物の水晶は熱を逃がす能力がガラスや練り水晶より高いです。
触ってひんやりしたらそれは本物の水晶の可能性が高いといえます。ガラスみたいに生ぬるい感じがしたら練り水晶かガラスの可能性が高いです。
もちろん、気温や石自体の温度にもよりますが、簡単な見分け方なので覚えておくと便利です。
以上、たかふみでした。
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