長石(フェルドスパー)は奥が深い

labradorite パワーストーン辞典

パワーストーンだけでなく、鉱物の世界でも石英類と並ぶ大所帯が長石類です。

大地を作る元素の中でもっとも多いのが酸素(O)、次に多いのが珪素(Si)です。

酸素と珪素から出来ている珪酸塩物質は地殻の95%を占めているといわれています。

その珪酸塩物質の60%を占めているのが長石類なんです。

目にする機会の多い石英類ですら12%ですから長石類の多さがずば抜けて多いのがわかると思います。

 

アルバイト

アルバイトと水晶の競演

 

もっとも、
石英類がSiO2という一種類の組成を持つ物質なのに対し、長石類は何種類もの組成を持つ物質の集まりです。単純に比較するのは無理があります。でも、長石類は地上でもっとも多い物質のひとつである事は間違いありません。

 

スポンサーリンク

長石の仲間は有名人ぞろい

 

長石と聞くとピンとこないかもしれませんが、パワーストーンの中にも長石の仲間はたくさんあります。

ムーンストーンサンストーンラブラドライトアマゾナイトアンデシンオーソクレースは聞いたことがあると思います。

○○ムーンストーンや○○フェルドスパーと呼ばれている石も長石の仲間ですね。 長石は宝石名と鉱物名が違っているものが多いのも特徴です。

鉱物としての分類では20種類くらいに分けられます。 でも、大きく分けると「カリ長石」「斜長石」「バリウム長石」の三種類に分ける事ができます。

 

長石の仲間

 

長石の世界は微妙な成分の違いで、やたらと名前が多かったりしてややこしいことになっています。

それぞれの成分や特徴は省きますが、こういうのがあるんだなくらいに思ってください。

 

・カリ長石
曹微斜長石(アノソクレース) 微斜長石(マイクロライン) 玻璃長石(サニディン) 氷長石(アデュラリア) 正長石(オーソクレース)

・斜長石
曹長石(アルバイト) 灰曹長石(オリゴクレース) 中性長石(アンデシン) 曹灰長石(ラブラドライト) 亜灰長石(バイトウナイト) 灰長石(アノーサイト)

・バリウム長石
セルシアン ハイアロフェン

 

この中にパワーストーンとしては有名なムーンストーン、サンストーン、アマゾナイトが入ってないじゃないかと思う人もいると思います。

これらのパワーストーンはさらに特定の条件が当てはまった時だけに呼ばれる宝石名(商業名)なんです。

その条件を大まかにいうと

アマゾナイト  青か緑の微斜長石
ムーンストーン シラー効果のある長石
サンストーン  アベンチュリン効果のある赤い長石

となります。

アマゾナイトは色を緑か青系の色を持つ微斜長石に与えられる名前です。 アマゾナイト

ムーンストーンとサンストーンは光学的な効果(ようするに光り方)に与えられた名前なのでその成分は石によって微妙に違っていたりします。

アベンチュリン効果

 

だからムーンストーンとサンストーンは鉱物名ではないんですね。

シラー効果

宝石名(商業名)は鉱物名と違ってはっきりとした決まりがあるわけではないので様々なところで色々な呼び方をされているのが実情です。

 

逆に。宝石名のラブラドライトは鉱物名のラブラドライトよりも狭い範囲で使われる事が多いです。

というのも
鉱物としてのラブラドライトにはラブラドレッセンスがないものも含まれているからです。

もともとラブラドライト( 曹灰長石)はこういう石です。
labradorite

原石なのでよけいに違う石みたいに見えてしまいますが。

でも、パワーストーンでラブラドライトといえばこういう石ですよね。

 ラブラドライト

 

たとえば、これもラブラドライトです。
上の原石よりも透明度の高い石ですね。でもラブラドレッセンスはありません。

ゴールデンラブラドライト

じつは、ラブラドレッセンスのある石よりもこちらの方が先に発見されていました。
でも、あまり特徴がないし売り物にならないと思われていたのでパワーストーンとしては知られてませんでした。

最近になって「ゴールデンラブラドライト」という名前で売っているのをみかけます。
まるで新種のラブラドライトの様にあつかわれてますが、こちらの方が先に見つかっているんですね。

見た目はまったく違うけど鉱物としての分類ではどちらもラブラドライトなんです。

 

鉱物の場合は単に成分の違いだけで分けているのですが、宝石名の場合は見た目や光学的な効果で分けていることがあるので鉱物名と宝石名が違っている事はよくあります。

昔は成分を分析する方法がなかったので、見た目や硬さで見分けるしかなかったんですね。
成分が違うのに同じ名前で呼ばれていたり、成分が同じなのに別の名前が付けられていたり。
けっこうややこしいことになっていたりします。

 

じつは、長石類というのは鉱物ファンとパワーストーンファンの意見が食い違うことの多い石なんです。一つの石を見ても鉱石ファンは○○○だと言うけど、パワーストーンファンは△△△だっていうことが起こりやすいんです。

成分の違いを大切にする鉱石ファンと、見た目を大切にするパワーストーンファンの違いなんでしょうね。どちらが正しいとかの問題ではなくて価値観の違いということなのでしょう。

 

長石(フェルドスパー)って奥が深いですね。

 

以上、たかふみでした。

 

パワーストーン辞典
スポンサーリンク
たかふみをフォローする
スポンサーリンク

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました