京都市の上京区に鎮座する大将軍八神社は、古くから陰陽道と深い関わりを持ち、近年ではスピリチュアルなパワースポットとしても静かに注目を集めています。
「新しい環境でのスタートに不安がある」「最近なんだか良くないことが続いている」「目に見えない特別なエネルギーを感じてみたい」…もしあなたがそう感じているなら、この記事がきっと役立つはずです。
この記事では大将軍八神社が持つ不思議な魅力や、陰陽道に基づいたスピリチュアルなご利益、そして訪れた際にぜひ見てほしい見どころなどを、分かりやすく丁寧にご紹介します。
この素晴らしい神社について知り、あなたの毎日がより穏やかで満たされるヒントを見つけていただけたら嬉しいです。
大将軍八神社とは? 陰陽道と星の神様のお話
京都の上京区に、ひっそりとたたずむ「大将軍八神社(だいしょうぐんはちじんじゃ)」をご存知ですか?
この神社は歴史があるだけではありません、日本の歴史や文化、そして陰陽道(おんみょうどう)とも深いつながりがあのんです。
平安京を守るために生まれた神社
今から1200年以上も昔。日本の都が京都(平安京)に移されたときのことです。時の天皇だった桓武天皇(かんむてんのう)は、新しい都を様々な災いや怨霊からしっかりと守りたいと考えました。
そこで頼りにされたのが「陰陽道」の力です。陰陽道とは古代中国から伝わった陰陽五行思想に日本古来の考え方や様々な知識が混ざりあった教え。世の中のあらゆる出来事を自然の法則や目に見えない力で読み解こうとするものです。
都を守るための特別な結界として、平安京の要となる場所にいくつかの祠が建てられました。その一つがこの大将軍八神社のもとになっています。
都の北西の角「天門(てんもん)」と呼ばれる特に重要な方角を守るために造られました。
方位を司る星の神様「大将軍」
大将軍八神社に祀られている一番大切な神様は「大将軍(だいしょうぐん)」という神様です。
素戔鳴尊と同じと考える場合もありますが、もともとは別の神様です。
この「大将軍」は、私たちがよく知っているような歴史上の将軍とは少し違います。
陰陽道では宇宙には様々な星の神様がいると考えられていて、大将軍はその中でも「方位(ほうい)」を司る星の神様なのです。
陰陽道では、東西南北などの方位に特別な意味があると考えられています。
なぜ「方位」が大切なの?
現代でも引っ越しや旅行で「どの方角が良いかな?」と気にする方はいますよね?風水などが分かりやすい例かもしれません。
陰陽道では、それぞれの方位に吉凶(きっきょう)、つまり良い・悪いのエネルギーがあるとされています。
もし悪い方角へ移動したり、何かを始めたりすると、それが原因で思わぬ災難に遭うことがあると考えられていました。
だからこそ、方位の吉凶を知り悪い方角からの災いを避けることがとても重要だったのです。
大将軍八神社に祀られる「大将軍」は、そんな悪いエネルギーから人々を守り、災難を良い方向へと転換させてくれる、とても力強い神様なのです。
陰陽道の世界観に基づいた、星と方位の神秘的な力が宿る場所。それが、大将軍八神社なのですね。
大将軍八神社がスピリチュアルなパワースポットと言われる理由
大将軍八神社は歴史や祀られている神様から「スピリチュアルなパワースポット」として多くの人に注目されています。なぜこの場所がそう呼ばれるのでしょうか?いくつか理由があります。
境内に満ちる、古くからの神聖な気
まず境内に一歩足を踏み入れたときの空気感です。街中にあるにも関わらず、どこか静かで他の神社とは少し違う、厳かな雰囲気を感じることがあります。
これは1200年以上もの長い間、この場所が都を守る要として大切にされてきた歴史や、陰陽道のエネルギーが積み重なっているからかもしれません。
目には見えませんが古からの神聖な気が満ちているように感じる人も多いようです。
宇宙のエネルギーを感じるシンボル
大将軍八神社の境内には陰陽道や星との関連を示すユニークなシンボルがいくつかあります。
例えば本殿の前にある星の形をしたモニュメント。これは大将軍が方位を司る星の神様であることの象徴です。その台座には陰陽道で使われる「八卦(はっけ)」という方角を表す模様が刻まれています。
これらのシンボルは単なる飾りではありません。宇宙の動きや方位のエネルギーを象徴していると言われます。こうした象徴に触れることで、普段意識しないような大きな力、宇宙のエネルギーとの繋がりを感じる方もいるるかもしれません。
また境内の奥にひっそりと立つ星神天大将軍(せいしんてんたいしょうぐん)の像も、強い存在感を放っています。古代中国の武将のような姿ですが、右手には剣、左手には陰陽師のような印を結んでおり、その姿からも只ならぬスピリチュアルな力を感じ取ることができます。
方位除け・災難よけの強力な力
大将軍八神社の最大の特徴は、やはり「方位除け」や「災難よけ」のご利益です。これは陰陽道において方位が持つエネルギーの吉凶を操る、大将軍の強力な力によるものと考えられています。
私たちは知らず知らずのうちに、自分にとって良くない方角のエネルギーを受けてしまっていることがあります。引っ越しや旅行、新しいことを始める際の方位など、気をつけていても避けられない場合もあるかもしれません。
そんなとき、大将軍の神様は悪い方位から来る災いを退け、良い方向へと導いてくれると言われています。
この「悪いものを遠ざけ、良い運気を呼び込む」という力が、多くの人にとって大きな安心感や希望を与え、スピリチュアルな支えとなっているのです。
「なんだか最近ついてないな…」「新しい環境でのスタートが不安…」
もしそう感じているなら、大将軍八神社の方位除けの力に触れてみることで状況が良い方向へ動き出すきっかけやつながりを感じられるかもしれませんね。
神聖な空気、宇宙や方位を象徴するシンボル、そして強力な方位除けの力。これらが合わさることで大将軍八神社は訪れる人々に特別な感覚を与え、「スピリチュアルなパワースポット」として語り継がれているのでしょうね。
大将軍八神社のご利益とスピリチュアルな効果
大将軍八神社を訪れる多くの方が期待するのが「ご利益」です。特に方位に関するお悩みや、日々の生活で感じる災難への不安に対し、心強いサポートをしてくれると言われています。
方位除け・災難よけの特別なご利益
大将軍は方位を司る星の神様です。そのため一番有名で多くの方が求めているご利益は「方位除け(ほういよけ)」や「災難よけ」です。
人生には住む場所を変えたり、遠くへ旅に出たり新しい仕事を始めたりと、「移動」や「変化」がつきものです。
陰陽道ではこうした変化の際に、その方角が持つエネルギーに影響されると考えられています。もしその方角が自分にとって良くない「凶方(きょうほう)」だった場合、様々な問題や災難が起きる可能性があると恐れられてきました。
大将軍八神社では、凶方からの悪いエネルギーを退け、災難を未然に防いだり、起きてしまった災いを弱めたりするスピリチュアルな力があると信じられています。
とくに。
- 引っ越しや移転を控えている方
- 旅行や長期出張に行く方
- 新しい事業を始める方
- 大きな買い物を検討している方
など、人生の節目や何かを新しく始めるときに方位の心配を解消し安心して物事を進められるようにサポートしてくれるでしょう。人生の分かれ道に立つ私たちを目に見えない災いから守ってくれる心強い存在です。
良い気で空間を清める「清めの御砂」
大将軍八神社には「清めの御砂(おきよめのいすな)」という特別な授与品があります。これは境内の神聖な砂をいただき、自宅や気になる場所に撒くことで、その場所の良くないエネルギーを浄化し良い気を招き入れると言われるものです。
例えば、
- 新しい家に引っ越したとき
- 何か悪いことが続いていると感じるとき
- 土地のエネルギーが気になる場所
などに、この御砂を使って空間を清め、災難を防ぎ、福を招くスピリチュアルな効果が期待できるといわれます。使い方も丁寧な説明があるので、安心して取り入れることができますよ。
願いを叶える様々な摂社末社
大将軍八神社の境内には本殿の他にもいくつかのお社(やしろ)があり、それぞれに異なる神様が祀られ、様々なご利益があるとされています。
地主神社(じしゅじんじゃ)
この土地を守る神様。古くからこの場所のエネルギーを見守っています。新しいことを始める際に、土地の神様にご挨拶し、許しを得ることは、物事がスムーズに進む上で大切だと考えられています。白蛇様のエピソードも有名ですね。
豆吉明神(まめよしみょうじん)
小さくて可愛らしいお社ですが、「一願成就(いちがんじょうじゅ)」、つまり一つだけお願い事を真剣に祈ると叶うと言われています。「どうしても叶えたい夢がある!」という方は、心を込めてお祈りしてみてはいかがでしょうか。
三社(さんしゃ)・五社(ごしゃ)
女性の守り神、芸能上達、導き、商売繁盛、開運、学問、金運、交通安全など、私たちの日常生活における様々な願い事に応えてくれる神様たちが祀られています。それぞれの専門分野で私たちをサポートしてくれる頼もしい存在です。
三社
入り口からすぐ左手にあるのが三社。
命婦神社 御祭神:命婦神 ご利益:女性の守り神
厳島神社 御祭神:宗像三女神 ご利益:芸能
猿田彦神社 御祭神:猿田彦 ご利益:導き
五社
三社の北側にあるのが五社。江戸時代の亨保5年に勧請されました。
恵比寿神社 御祭神:事代 ご利益:主商売
稲荷神社 御祭神:稲荷神 ご利益:産業・開運
天満宮御祭神 御祭神:菅原道真 ご利益:学問
長者神社 御祭神:長者神 ご利益:金運
金毘羅神社 御祭神:大物主神 ご利益:交通安全
大金神社(おおがねじんじゃ)・歳徳神社(とんどじんじゃ)
これらは陰陽道において特に重要な方位の神様です。大金神はかつて凶方位を司ると恐れられましたが、正しく祀れば強い力で守ってくれると言われます。歳徳神は恵方(えほう)、つまり吉方位を司る福徳の神様です。これら二つの神様が一緒に祀られているのは、大将軍八神社ならではの特徴と言えるでしょう。
このように、大将軍八神社は、方位除け・災難よけという強力なスピリチュアルな力を持つ大将軍様を中心に、私たちの多様な願いをサポートしてくれる神様たちが集まる、まさに「ご利益のデパート」のような場所なのです。
ご自身の悩みや願いに合わせて、ぜひ様々なお社にも手を合わせてみてください。
大将軍八神社で見逃せない!陰陽道ゆかりの見どころ
大将軍八神社は歴史やスピリチュアルな面に加えて、境内にも見どころがたくさんあります。陰陽道の雰囲気を色濃く残すユニークなポイントを巡ってみましょう。
拝殿・本殿
まず目を引くのが、祈祷などが行われる拝殿(はいでん)と、神様が鎮座する本殿(ほんでん)です。歴史を感じさせる佇まいはもちろんですが、ここでは古くから神聖な儀式が行われてきた場所としての厳粛さを感じられます。
お参りする際は、ぜひその雰囲気を感じてみてください。
宇宙と繋がる星型モニュメントと八卦
本殿の手前に立つ、星の形をした石のモニュメントは、大将軍八神社を象徴する存在です。これは「六芒星(ろくぼうせい)」、いわゆるダビデの星や籠目紋(かごめもん)とも似た形ですが、陰陽道では魔除けなどの意味合いも持ちます。
この星型モニュメントが乗っている台座にも注目してください。ここには「八卦(はっけ)」と呼ばれる、陰陽道で方角や世の中の森羅万象を表す八つの記号が刻まれています。宇宙の成り立ちや方位のエネルギーをこの小さな台座に表現しているなんて、考えるとロマンチックですよね。
この星と八卦の組み合わせは、まさに大将軍様が方位を司る星の神様であること、そして陰陽道との深いつながりを示しています。
勇ましいお姿!星神天大将軍像
本殿の裏手には御祭神である星神天大将軍の像が安置されています。その姿は日本の神様というよりは、まるで古代中国の力強い武将のようです。
右手には悪しきものを退ける剣を持ち、左手は何かを象徴する印を結んでいます。陰陽五行思想が中国から伝わったものなのを感じさせるお姿ですね。その迫力あるお姿からは強力な方位除け・災難よけのパワーが宿っているように感じられます。
貴重な宝物殿「方徳殿」
境内の東側にある「方徳殿(ほうとくでん)」は、大将軍八神社が所蔵する貴重な宝物が納められている建物です。
ここには平安時代から伝わる大将軍神像が80体も安置されており、国の重要文化財に指定されています。これだけの数の神像が一度に見られるのは大変珍しい機会です。また、陰陽道や天文学に関する古い資料なども展示されています。
※方徳殿は普段は閉館しており、春と秋に期間限定で一般公開されます。訪れる際は、事前に公式サイトなどで公開情報を確認してくださいね。
個性豊かな摂社末社エリア
境内のあちこちに点在する摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)エリアもぜひ立ち寄ってほしい場所です。
それぞれのお社には異なる神様が祀られており、雰囲気も少しずつ違います。特に白蛇様が祀られている地主神社や、小さくて可愛らしい豆吉明神は印象に残るはずです。
たくさんのお社があるので大将軍八神社が地域の人々の様々な願いを受け止めてきた歴史を感じられます。
これらの見どころを巡ることで、大将軍八神社の持つ独特の雰囲気や、陰陽道の世界観をより深く感じることができると思います。ゆっくりと散策するのもおすすめです。
大将軍八神社で授かれるスピリチュアルなお守り
大将軍八神社を訪れた記念に、また方位除けや災難よけの願いを込めて、お守りをいただくのもおすすめです。陰陽道や星の神様を祀る神社ならではの、少し珍しい、スピリチュアルな雰囲気を持つお守りがありますよ。
北斗七星十二支御守(ほくとしちせいじゅうにしおまもり)
特におすすめしたいのが、この「北斗七星十二支御守」です。黒を基調としたお守りに、金色で北斗七星(ほくとしちせい)がデザインされています。シンプルながらも、星の輝きを感じさせるかっこいいデザインです。
北斗七星は、陰陽道において非常に重要な意味を持つ星です。夜空でいつも変わらず北極星の近くに輝くこの星は、宇宙の中心や、人々の運命を司る神様「北斗真君(ほくとしんくん)」が宿ると考えられてきました。
このお守りには、その北斗七星の強力なエネルギーで、持つ人をあらゆる災難から守り、運命を良い方向へ導くスピリチュアルな願いが込められています。
さらに、北斗七星は生まれた年の「十二支(じゅうにし)」とも深いつながりがあります。お守りの北斗七星には、あなたの干支の「守護星」が赤く示されています。ご自身の干支のお守りを選ぶことで、より強力な守護の力を得られると言われています。
ぜひ、ご自身の干支を確認して、運命の星に見守られるようなこのお守りを手に取ってみてくださいね。
陰陽道と風水の知恵が詰まった風水御守

大将軍風水守
もう一つ、大将軍八神社ならではのお守りが「風水御守(ふうすいおまもり)」です。一般的なお守りとは違い、八角形(はっかくけい)という珍しい形をしています。八角形は、東西南北と四隅の「八方位」を表し、全ての良い運気を呼び込み、悪い気を跳ね返す力があると言われています。風水でもよく使われる形ですね。
色も鮮やかな黄色で、これもまた金運や幸福を招く縁起の良い色とされています。
お守りの表面には、先ほどの北斗七星がデザインされています。よく見ると、星が八つ描かれていることがあります。これは、北斗七星に「輔星(ほせい)」という星を加えた「北斗八星(ほくとはっせい)」を表していると言われています。
この輔星は古来、見える者には長寿をもたらす吉兆とされてきました(漫画「北斗の拳%E80の死兆星とは意味が逆なんですね!)。
裏面には陰陽道の根幹をなす「五行説(ごぎょうせつ)」に基づいた色分けが施されています。中央が黄色、南が赤、北が黒、西が白、東が青といったように、それぞれの方位の色が示されています。これは、日本の「四神相応(しじんそうおう)」という考え方(北に玄武、東に青龍、南に朱雀、西に白虎)の元にもなったものです。

大将軍風水守
さらに、裏面には「八卦」の記号も描かれています。これらが組み合わさることで、この風水御守は、方位や五行のエネルギーを整え、持つ人の周りの「気」の流れを良くし、総合的な開運をもたらすスピリチュアルなアイテムとなっているのです。
清めの御砂も忘れずに
先ほどご利益のセクションでもご紹介した「清めの御砂」も社務所で授かることができます。自宅や気になる場所のエネルギーを浄化し、良い運気を呼び込みたい方には特におすすめです。お守りと合わせて授与していただくのも良いですね。
大将軍八神社のお守りは単なる記念品ではなく陰陽道や星の力が宿る、あなたの人生をより良い方向へ導いてくれるスピリチュアルなアイテムです。ご自身の願いに合わせて、ピンとくるお守りを選んでみてください。
大将軍八神社の情報
ご祭神 :大将軍(素戔鳴尊)、太歳神(天忍穂耳命)、大陰神(市杵嶋姫命)、歳刑神(田心媛命)、歳破神(湍津姫命)、歳殺神(天穂日神)
黄幡神(活津彦根神)、豹尾神(熊野櫲樟日命
参拝時間:自由
住 所 :京都市上京区一条通御前西入西町48
公式サイト:大将軍八神社
大将軍八神社のアクセス
駐車場:神社東隣に数台分の駐車場があります。
電車
京都市バス 北野天満宮前より 徒歩 約3分。
京福電鉄北野線 北野白梅町より 徒歩 約5分。
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