今回は石英の分類方法のなかで「潜晶質半透明石」「潜晶質不透明石」について書きます。
潜晶質半透明石
名前を聞いただけでは何のことか分からなくなる人が多いのではないでしょうか。
「潜晶質」とは目に見えないくらいの非常に小さな二酸化珪素の結晶の集まりという意味です。顕微鏡で見ても結晶は分かりませんが、X線回折(X線結晶構造解析)をすると結晶構造を持っている事が分かります。
逆に言えば、水晶ポイントのように目に見える六角形の結晶は存在しないということですし、クラスターもありません。
このグループはカルセドニー(玉髄)と呼ばれます。つまりカルセドニーとは特定の石の名前ではなくグループの名前だということです。
カルセドニーは色や模様によってさまざまな名前がついています。縞模様のあるものはアゲート(瑪瑙)。いわゆるメノウという石がこれです。
昔から世界中でメノウは装飾品やさまざまな加工品に用いられてきました。
赤褐色と白の縞模様のあるもはサードオニキス、黒と白の縞になっているのはオニキスという呼び方もあります。
縞模様のないカルセドニーで赤いものはカーネリアン、緑のものはクリソプレーズ、黒いものはブラックオニキスといいます。
オニキスについては時代によって定義が変わっているので流通しているものと本にあるものとでは色と模様が一致しないこともあります。
カルセドニー類は、小さな結晶の集まりであるがゆえに、染めやすいという特徴があります。結晶と結晶の隙間に染料がしみこむ事が出来るのです。したがって、売られているカルセドニー、アゲートの中にはあらかじめ染められているものもあります。
潜晶質不透明石
カルセドニーと同じ、二酸化珪素の小さな結晶の塊です。
カルセドニーと違うのは色が不透明な事です。 本来は透明なはずの石英に色が付くのは他の物質が混ざっているからです。透明感がなくなるほど混ざっている物資の量が多いということです。20%以上の割合で他の物質が混ざると不透明になるといいます。
このグループはジャスパーと呼びます。 カルセドニーと同様に色によってジャスパーもさまざまな呼ばれ方をすることがあります。
赤いものはレッドジャスパー。濃い緑に赤い斑点があるのはブラッドストーンといいます。 同じ物質からできている石でも、結晶や色によって色々な名前があるんですね。 石英は奥が深いです。
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